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月色光珠の作者の新シリーズ。
……と思ったら次は月色の短編集だそうな。
どちらでも嬉しいですけど。
舞台を大正時代の日本に移した伝奇浪漫。
相変わらず丁寧な描写と展開で読んでいて実に楽しい。
個人的に好きな大正時代が舞台というのもポイント高い。
女学生! 袴! いやっふー!
さらに主人公可也は断髪で男言葉とビジュアル的にも性格的にもいやっふー!
結ぶということに意味を与え、それをして国を支えてきたムスビの一族と、
その始祖であり悲恋の人、沫緒の想いが絡み合って物語を紡ぐ。
幕末、明治と変遷した日本の歴史も基盤に加えた展開は、
すんなりと入り込めるガジェットに満ちてそれだけで楽しくなる。
旧都と新都を巡る陰謀とか好きですよ、私は!
しかし中心はもっとシンプルで身近な、可也という少女のお話。
自分の力に思い悩み、自分ではない自分の中の存在と葛藤し、
コバルトなのでもちろん恋話に発展……はまだか。
しかしこのラストの気づいていない恋心がたまりません。
前作同様丁寧な物語なので安心して楽しめる。
終わっていない前作同様、続きが非常に楽しみです。
袴姿の女学生いやっふー!
ラベル:岡篠 名桜