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魔物を倒す異能の少女と、巻き込まれた平凡な高校生男子。
ついでに主人公に片思いする気弱な女の子付き。
……むしろ電撃テンプレで作品を書く作家に拍手を贈りたくなる。
どれだけ独自色を出せるか、凡百類型に埋もれないか。
とりあえずこの作品は「埋もれてはいないかな」という印象。
異世界の魔法少女が高校生男子と出会って協力して魔獣を倒すお話。
以上。
内容やテーマは前作「彼女は帰星子女」の方がおもしろかった。
とはいえ、ヒロイン・サンドラはありがちな電撃的ツンデレではないし、
主人公の光輔も無個性でなく、物語の中できちんと生きていた。
特に二人の自然なやり取りはよかったですね。
狙ったと思われる、常道から少し外れた会話の内容も新鮮に感じました。
折角のアイテムであり、タイトルにもなっている
あまり活躍しなかったのは非常に残念。
師の形見であるという設定もあるけれど、その必然性もイマイチ。
もう少しハンマーらしい活躍の場を与えてもよかったんじゃないかと。
まぁ、ラストはまったくもって「光にな(ry」でしたが。
なんだか熟年夫婦みたいなサンドラと光輔の関係は非常によく、
帰ると部屋が暖かかった――っていう実感のこもった描写に妙にしんみり。
新シリーズってことで続くんでしょうが、展開させにくい内容だけど大丈夫かな?
でも、サンドラと光輔の日常はまだまだ見てみたいですね。
イクラ丼をかき込む異世界魔法少女って斬新だ。