2007年10月24日

鉄球姫エミリー

鉄球姫エミリー (集英社スーパーダッシュ文庫 や 2-1)鉄球姫エミリー (集英社スーパーダッシュ文庫 や 2-1)
八薙 玉造

集英社 2007-09-25
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SD文庫の大賞受賞者はあなどれない。
今あるラノベレーベルん中でも抜き出た完成度って印象。
物凄くおもしろかったです。

序盤のノリと中盤以降のシリアスな展開のギャップはちょっときついものがあるし、
容赦なく死んでいく登場人物らに暗澹たる気持ちにもなる。
それでもグイグイと引き込まれ、先が気になるストーリーは文句無くおもしろい。
重騎士関連の設定も独特で、それでいてわかりやすいからいろいろと想像したり。

まぁ、中盤以降の鬱展開は耐性がないと辛いかもしれませんけど、
先日の「地を駆ける虹」よりはるかに物語として完成されており、
その後の展開やエミリーの心情に生きている。
はっきり言って、この展開はかなりきつい。
きついけれど、それを呑みこんで行くエミリーの気持ちに移入すると、
本当に胸が締め付けられるような一体感が得られる。

一方で、下品で下品で下品なノリがかなり楽しかったので、
それを全力で展開し続けるお馬鹿なストーリーも見てみたかったなぁ、と。
このノリは問答無用で楽しい。
ぶっちゃけ「変態姫エミリー」でもよかったんじゃないですか?

敵役の方も一つのエミリーの可能性という感じで、完全に裏の主役。
単純に一つの出来事が表裏二方面から描かれており、読み応えも抜群。
どちらも結局鬱展開なのは変わりませんが。
……そしてどちらも変態だったりしますが。

SD文庫の受賞者は侮れない、と強く感じた一冊。
表紙イラストやタイトルに騙されますが、いい意味での予想外で満足。
でもこの作者の変態センスは抜群なのでそっちに突き抜けた作品も是非読んでみたい。


posted by コウ at 18:27| Comment(0) | TrackBack(2) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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