佐野 しなの〔著〕
メディアワークス (2007.6)
通常24時間以内に発送します。
メディアワークス (2007.6)
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これはおもしろかった。
全編これバカ漫才なやり取りが満載なんだけど、
それがまたテンポがよくってツッコミも冴え渡り、
善の物凄く複雑で絶望的な心境が凄く良くわかって
母さんへの訴えかけなんてなんていい味出してるんでしょうか。
短編大賞受賞作ということで、なるほど全体を見返してみると基本は短編という印象。
物語の構成に最低限必要なエピソードだけ取り出せば密度の高い短編になる。
その状態で読めばまた違った印象を受けるんだろうなぁ。
もちろん、ページ数が増えていたって希釈されたわけでなく、
登場する人々がよく言えば個性的、いちいち漫才チックで楽しい。
それにしてもどうやら俺は少々少女漫画脳なのかもしれない。
っつーか、裏読みしすぎかな?
ネタバレになりかねないので以下反転しますが、
実はトモヨシは女の子だろうと思ってました。
しかも死んでない……まぁ、死んでてもいいですが。
で、キスのあと会いにくるとかなんとか。
いやまぁ、ベタというか問題がいくつかございますが、
今回の終わり方ならその仮説は否定はされないわけで、
でもいい加減何考えてるんでしょうねぇ俺は?
なんだかんだでみんなが幸せになれるハッピーエンドを望んでるんでしょうか?
それにしても上手い。
どうでもいいと思える話をこのように使ってくるとは完全に予想していませんでした。
まぁちょっと、ラストのラストシーンだけはいろいろツッコミたいものがありますが、
いやはや、この展開には素直に意表を突かれました。
ただの漫才コメディじゃありませんでしたね。
これはおもしろかった。
是非とも続きが読みたい作品です。