序盤はよくある学園モノで、
多少歌劇学校という設定での目新しさやエピソードもあるけれど、
それほどおもしろいというわけでもないなぁ、という印象。
でしたが。
中盤以降の二転三転する展開に唖然呆然驚愕感動。
この展開は少し外せばトンデモストーリーになりかねないきわどいもので、
それが絶妙なバランスで成り立っていてグイグイ引きこまれました。
さらにラストで虚実を曖昧に思わせるような描写を入れ、なんともいえない読後感。
これらの一体どこまでが本当でどこまでが嘘なのか。
読み手がいろいろと想像できる余地があるのが非常におもしろい。
まぁ穿った見方は捨てて。
多少ネタバレになりますが、拓海と九月がお互いに惹かれあっていく過程、
それが読んでいて非常にうらやま……いやいや、微笑ましい。
一目惚れとか運命の出会いとかじゃなく、
ちょっとした喧嘩友達からお互いのいろいろな部分を知って次第次第に、
ってある意味理想的な展開じゃありませんか。
あぁ、もぅ、うらやましいなちくしょー!
一方でイラストがどうにも受け付けませんでした。
表紙はいいんですけどねぇ……
ぶっちゃけP95の拓海とかキメェ。
このあたりは人それぞれですけどね。