世界平和は一家団欒のあとに

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素直におもしろかったと言えます。
読んでいて気になる点や不満などもあるにはありますが、
伝えたいことがストレートに伝わってくるストーリーで十全。

ともすればくどくなりがちな各能力を程よいアクセントに抑え、
その上で、ストーリーに上手く絡ませている。
まさか軋奈の話が後にこのように関係してくるとは思いませんでした。
残念なのは"災魔"彩美姉さんが一体どのような御仁なのか、出番が少なく影が薄いこと。
ビジュアル的に一番好きなんですがね。

二つ下の妹がいるものの、年単位で口をきかない間柄、
マジで妹が自分をどのように呼んでいるか十五年の時を経て、
本当につい先日知ったような兄妹にこの家族は眩しすぎます。
（どうでもいい話ですが「おにい」でした）

実際、世界なんて漠然としていてつかみ所の無いものより、
誰だって身近な「家族」が大切に決まっているのに、なかなかそれに気付けない。
本当に世界を救える力があるならなおさら、陥ってしまうものなのでしょう。
終盤の展開は、本質が非常にシリアスで、読みながらもいろいろと考えさせられました。

前述した彩美姉さんもですが、柚島さんが特にいい味を出していただけに、
ストーリー的に名脇役になってしまっているのが残念です。
続編が出るのなら、是非この二人の今後を面白おかしく見せてもらいたいものです。
もちろん、そこに家族が絡んでてんやわんやになること前提で。