2007年02月04日

くじびき勇者さま(3)

くじびき勇者さま 3番札
清水 文化著
ホビージャパン (2007.2)
通常24時間以内に発送します。

「ナバルぅ。もう少し待ってね(はぁと)」

の台詞で吹き出しそうになりました、と。
なんですか、このベタ甘新婚夫婦は。

この前後のシーンはなかなかよかったと思います。
ずいぶん人間臭いドラゴンたちとの交流がほのぼのとしていて和みます。
箸を使って食事をするドラゴンって、数あるファンタジー作品の中でも唯一じゃないでしょうか。

しかし良かったと思えるのはこのあたりだけ。

この巻だけでなく、シリーズ全体を見ても無駄が多い。
物語や世界観を補強するわけでもないメイベルの解説の数々。
後の伏線になるわけでもなく、そこで何らかの進展を見せるでもなかった寄り道。
結局間抜けを晒すだけで何をするでもなく、何も出来ずに退場したテロリスト。
ぶっちゃけ、帝都から竜の山脈に直行しても解決したであろうストーリー。

それなりに作りこんでいるのであろう世界観ではあるけれど、
それらがまったく物語を盛り上げる要素として機能していなかったのが致命的。
ハリウッド映画のようにきっちり詰め込み、無駄が皆無とまでする必要はないが、
序盤で起こったイベントを後半で活かすくらいの事はして欲しかった。

っつーか、突っ込みどころが多すぎる。
話し合いたいならドラゴンはドラゴン教徒を窓口にすればよかったし、
その地に読める人間がいなくても、古文書を解読する研究は行われていて然るべし。
一国が五十万の大軍を動かして誰もそれに気付かなかったり、
疫病が流行りだしている街の住人がのん気に暮らしていたり。

一巻の感想で書いたように、私は著者に対してあまりいい印象を持っていないので、
多少なりと厳しい評価をしているかもしれませんが、
その印象を覆せる作品ではありませんでした。

http://alles.seesaa.net/article/28849504.html
posted by コウ at 02:19 | TrackBack(2) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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