見栄っ張りで気取っているくせに臆病者でぎゃーぎゃーうるさいだけ、
と思わせていた委員長・轟田の株急上昇。
やっぱり臆病で見栄っ張りなのだが、
それを自覚した上でそうありつづけようとする姿は実に漢。
こんな姿を見せ付けられたらそりゃあシュラさんも惚れるわ。
無感情で心無いと思われている敵性少女たちの内面が描かれる。
特にシュラと轟田のやりとりは非常に楽しめた。
そしてルシャナのシュラへの複雑な心情も。
そのあたりの描写がとてもよかっただけに、
それら以外の部分ほとんどのつまらなさが目立つ。
大門リベイロC7クラス生徒多国籍軍兵士、誰も彼もがB級以下の大根役者。
特に秘書さんたちなんて……お前ら何しに出てきたん? と小一時間問い詰めたい。
ヘタレと小悪党ばっかり。
静矢組の面々の逃走劇以外に見るものがほとんどない代わりに、
シュラ周りの出来事は非常に読み応えとおもしろさがある。
前巻よりはるかに好印象。
が、やはり誤植が目立つ。
……のは、編集部のミスだろうなぁ。
グロリアスドーンにもいくつかあったし。
心外を侵害と誤植するのはどうよ?
夏 緑著