2006年11月12日

メイズプリズンの迷宮回帰

メイズプリズンの迷宮回帰―ソウルドロップ虜囚録 (ノン・ノベル)メイズプリズンの迷宮回帰―ソウルドロップ虜囚録 (ノン・ノベル)
上遠野 浩平

祥伝社 2006-11
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上遠野作品にしては珍しく(失礼)素直でホロリとくるストーリー。
文面を素直に追っていくと混乱してくるが、
視点を変えてみればすっきり落ち着く構成はやはり見事。
あまり捻っていない分、わりと早い段階で気付けました。

……が、本当にそういうオチだったとは。
そういう考え方はできますが、ちょっと強引な気はします。
まさかそんなことは無いだろうと思っていただけに。

家出少女と老人のお話。
何気ない場面ですが、夜行列車のくだりはちょっとうらやましく。
抜け出せない迷路の中にいるような気持ちが少なからずある身としては、
どこか遠くの街にこういう列車で旅してみたいものです。

素直な構成の分、ところどころの短い場面がひどく印象的でした。
捻ってひねくれて素直じゃない作品も好きですが、
たまにはこういうものもいいなぁ、と。
posted by コウ at 02:19 | TrackBack(1) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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[上遠野浩平] メイズプリズンの迷宮回帰―ソウルドロップ虜囚録
Excerpt: たとえ自分が何もしてなくても、父親が服役しているというだけで、周りの目は冷たい。家にいるのがつらくなった有香が夜をどう過ごすか迷っていたとき、双季蓮生という不思議な老人と出会った。ふたりは謎の怪盗ペイ..
Weblog: booklines.net
Tracked: 2006-11-12 09:06
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