銃関連の薀蓄が少々濃すぎる。
よほど深い興味を持つ人でなければ食傷気味になるだろうし、
ここまで細かい説明が必要かと言えば、断じてそんなことはない。
物語の進行を阻害するほどではないが、
もうちょっとあっさりめでも良かったんじゃないだろうか。
そして最後の戦い。
ちょっとどころではないくらい、くどい。
ダメージ計算していけば、三回は軽く死ねてるはずなのに、
ずいぶん丈夫な十四歳の戦闘経験無し少女だなぁ。
何回腹部を蹴り飛ばされて宙を舞った?
とはいえ。
全体的に妙に濃ゆいこだわりが散見されるが、
それ以外は非常に満足できる作品。
導入部である第一部がさまざまな意味でのキーポイントとなっており、
正直第一部だけで見るとメリハリも無く、そうおもしろくも無かったが、
その存在が第二部で活かされてくるのを見るのは、
紅花の成長をすんなり受け入れ、見守っていける心情の土台となったように思う。
すべて紅花の視点で描かれていれば、
ここまで彼女の精神的成長をスムーズに受け入れることは出来なかっただろう。
……肉体的、技術的な成長はかなり怪しいが。
伏線を張り巡らせて意外な展開で驚かせる、というおもしろさは無いが、
スムーズにストーリーを追わせ、その成長を楽しませるという点で非常に秀逸。
もっとも、前述のように一部の濃さがややそれを阻害している感はあるが。
ただ、まぁ、なんつーか、工藤社長がおもしろすぎて。
突出して印象に残るものがなかったかなぁ、と。
工藤社長を除いて。
うん。
ベンツ突撃は無駄におもしろかった。
ところで、仮面の男。
モネヴ・ザ・ゲイルを連想したのはきっと俺だけじゃないはず。