穂史賀 雅也著
メディアファクトリー (2006.9)
通常24時間以内に発送します。
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ラストのぶった切りには少々物足りなさを感じますが、
余韻を与えるという意味ではこれはこれでアリかな、と。
語りすぎず、淡々とストーリーは展開していくけれど、
その雰囲気が穏やかで心地よく、
時折挿入されるテンポの良い会話がいいアクセントになっている。
主張しすぎず、それでいてしっかり立ち位置の定まっているキャラクターや、
ほんのり不思議な雰囲気の漂う現実的な日常での話など、
全体的にまったりだけど、必要なところはしっかり見せている、という印象。
強く印象に残る部分はないけれど、満足な読後感が残る。
少し不満を言わせてもらうなら、
もう少しヤギとのやりとりを多く書いてもらいたかった。
案外早くヤギと出会ってしまったため、あのまったり感を満喫できず。
その後の展開も良いのですが、ね。
富士見の三作品よりもはるかにこちらの方が次回作を読みたくなります。
どうも富士見の方はこじんまりと無難にまとまっているだけのような気がします。
こじんまりとしていては、このまったり感は出てこないだろうなぁ。