![]() | 青い髪のミコ 為我井 徹 中島 鯛 竹書房 2006-05-20 売り上げランキング : 441093 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ちょっとコメントに困る内容だけど、結構面白かった。
登場人物がちょっと情緒不安定気味に見えないこともないが。
内容はかなりベッタベタ。
原作者としてのキャリアが、それを特に抵抗なく読ませているのか。
あるいはアンチテーゼのように思えなくもないが、それは過大評価。
そもそもそのベッタベタ具合が一昔前のものに近いし。
キャラクターの魅力としては、ミコさんがやたらからうい。
純粋純朴で子犬っぽいのに、時々小悪魔チック。
いろいろとおいしい設定はあるのに一歩引いた位置にいるのも、
物語全体を落ち着かせる効果があるように思える。
遥が引っ掻き回して拓郎がそれに巻き込まれ、ミコさんが治める。
なんかところどころ暴走気味な印象があるのに破綻していない。
ちょっと正直失笑モノの設定やら場面やらがあるが、それらが変な魅力に思えてくる。
根底にあるのは「失われていくものへの憐憫、哀悼」だろうか。
そう思うと、遥と拓郎のツクモガミへの対応の仕方の対比は興味深い。
結構色物テイストなのに、深読みできる要素もある良作。