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大賞受賞作。
MAGE維新――ってことで、魔法使いによる明治維新……って洒落かよ!
そういうノリは嫌いじゃありませんし、
西洋から魔法文化が流入してきた幕末という設定は非常に心くすぐられます。
が。
この内容だと幕末である必要が全然感じられない。
ストーリーなどが悪いわけではなく、
その点はしっかりとファンタジーとして楽しめる内容。
きちんとボーイ・ミーツ・ガールしているし(逆だけど?)
秘められた力がぁぁぁ……みたいなのも王道で嫌いじゃないです。
けど、幕末である必要ないよね?
いずれシリーズを重ねていけば幕末らしさは出てくるかもしれないけれど、
これ単体で見ると有名所ってシーボルト先生くらいだし。
桂小五郎がちょろっと名前が出てくるくらい?
長州藩にも触れるけど影響を与えるわけでなく、攘夷志士も中盤で退場。
……そう、中盤までは良かった。
それなりに幕末らしさを感じなくもなかったし、ガジェットとして機能もしていた。
なのに黒幕が出てきてからがなんだかなぁ、状態。
っつーかSAN値が下がりそうな方を召喚するとか、
そういやこいつの強さの理由も説得力もなかったなぁ。
結局チートキャラでフルボッコでしたし。
終盤に向かうほど加速度的に面白さが薄れていき、
劣化ハガレン読んでいるような気になりました。
せめて幕末設定じゃなければ、王道ファンタジーとして楽しめたと思うんですけど。
あとがき読んで、こうなった理由がなんとなくわかった気がする。